出会い系サイトは売春目的の利用者が消えたら経営できない?ポイント課金の収益構造を考察

出会い系サイトを眺めていると、どうしても気になることがある。

本来は「男女の出会い」を提供するサービスなのだが、実際には金銭を条件にした出会いを探している利用者も混ざっている。

もちろん運営会社は、売春や援助交際を認めているわけではない。むしろ、多くの大手サイトでは規約上は禁止されている。

では、ここで少し意地悪な疑問を考えてみたい。

もし明日から、売春・援助交際・金銭目的で利用する男女が完全にゼロになったら、出会い系サイトの経営は今まで通り成立するのだろうか。

男性が払う「1通数十円」の積み重ね

昔ながらの出会い系サイトには、男性がポイントを購入し、メッセージ送信やプロフィール閲覧などでポイントを消費する方式が多い。

一方、女性は基本無料というサービスも珍しくない。

つまり単純化すれば、女性を集め、その女性に接触しようとする男性が課金することで商売が成立している。

男性が一人の女性と簡単に出会えて、そのままサイトを卒業してしまえば、運営にとって最高の顧客とは言いにくい。

逆に、何人もの女性を検索し、プロフィールを見て、メッセージを送り、「今日はダメだった。次を探そう」とポイントを使い続ける男性は、かなりありがたい利用者になる。

ここに出会い系特有の妙な構造がある。

出会いを売っているのに、出会いを探し続けてもらうことで売上が増えるのである。

金銭目的の出会いは「回転」が速い

普通の恋愛目的なら、プロフィールを読み、メッセージを何度も交換し、気が合えば食事に行き、それから交際へ進む。

時間がかかる。

ところが金銭を条件にした出会いは性質が違う。

目的が最初から明確なので、成立しなければ次、また次と相手を探すことになる。

男性側も複数の女性へ連絡し、女性側も複数の男性と条件を確認する。

これはポイント課金という仕組みから見ると、かなり相性がいい。

もちろん、これは「運営会社が売春目的の利用を歓迎している」という意味ではない。

実際、大手出会い系各社は売春や援助交際、金銭を介した交際を禁止事項として掲げている。

ただし、「禁止されていること」と「そういう利用者が現実に存在しないこと」は別の話だ。

本当に全員消えた世界を想像してみる

では、サイト内から金銭目的の女性と、それを探す男性を一斉に消してみよう。

残るのは、恋人探し、婚活、友達探し、趣味仲間、食事相手などを求める男女になる。

それ自体はむしろ健全だ。

問題は、その人たちがポイント制の出会い系サイトを選び続けるのかということだ。

恋活や婚活なら、月額制マッチングアプリが大量に存在する。

友達探しならSNSもある。

趣味仲間なら専用コミュニティもある。

そう考えると、昔ながらの出会い系サイトが持つ強みの一つは、「今から会いたい」「細かい条件より、とにかく誰かと会いたい」という即時性の高い需要なのではないか。

そして、その即時性が高い領域ほど、性的な出会いや金銭を絡めた出会いも入り込みやすい。

ここが切り離しにくい。

「禁止客なのに売上を作っている」という矛盾はあるのか

仮に金銭目的の利用者が大量のメッセージ交換を発生させているなら、その通信によってポイントは消費される。

結果として運営会社の売上にもつながる。

しかし、それが売上全体の何%なのかを示す公開データは、少なくとも一般利用者が簡単に確認できる形では存在しない。

したがって、「出会い系サイトは売春客がいなければ潰れる」とまで断定するのは乱暴だ。

恋活・婚活・友達探しだけでも十分な利用者数を維持できる可能性はある。

広告、アフィリエイト、ポイント販売、関連コンテンツなど、収益源も単純ではない。

それでも、一つの疑問は残る。

金銭目的の利用者を完全排除したとき、男性のポイント消費量は本当に今と変わらないのだろうか。

ここは運営会社の内部データがなければ答えが出ない。

運営会社も簡単には扱えない問題

運営側から考えても厄介だ。

違法行為や規約違反を放置すれば、サイトの信用そのものを失う。警察や行政への対応、広告掲載、決済会社との関係などを考えても、「好きにやってください」という運営はできない。

だから監視し、投稿を削除し、悪質な利用者を停止する。

しかし一方で、何百万人もの利用者同士が交わす会話を完全にコントロールすることも難しい。

禁止ワードを消せば隠語が生まれる。

隠語を消せば、さらに遠回しな表現が生まれる。

ネット上の男女の欲望というものは、規約を一枚置いただけできれいに消滅するほど単純ではない。

ここに、出会い系サイトという商売のやや黒っぽく見える面白さがある。

出会い系は「恋愛」を売っているのか、「欲望」を売っているのか

表向きの商品は「出会い」である。

しかし男性が実際に買っているのは、女性そのものではない。

「この先に何か起きるかもしれない」という可能性にポイントを払っている。

恋人ができるかもしれない。

今夜会えるかもしれない。

セックスできるかもしれない。

その期待が強ければ強いほど、もう一通送る。もう一人見る。もう少しポイントを買う。

そう考えると、出会い系サイトの商品は「出会い」よりも、むしろ期待そのものなのかもしれない。

観測結果

「売春目的の客がいなくなったら、出会い系サイトは経営できないのか?」

答えは、外部からは断定できない。

各社が金銭目的ユーザーによって、どれだけの売上を得ているのかという数字が公開されていない以上、「それがなければ潰れる」と言う根拠はない。

しかし、男性が行動するたびに課金されるポイント制と、「とにかく今すぐ異性と会いたい」という強烈な欲望の相性がいいのも事実だ。

そして、その欲望の一部に売春や援助交際目的が入り込んできた歴史もある。

だから本当に興味深い実験は、ある大手出会い系から金銭目的の男女だけを一日で完全排除して、その後の男性のポイント購入額を見ることだろう。

売上がほとんど変わらなければ、筆者の疑いは外れ。

大幅に落ちれば――。

そのとき初めて、出会い系という商売の「本当のお客さん」が誰だったのか、少しだけ見えてくるのかもしれない。

最後にひとつ

警察は、出会い系サイトの中を実際どこまで把握しているのだろうか。隠語もあれば、サイト外へ移動するやり取りもある。全部を取り締まるのは無理だろうが、「見えていない」のと「泳がせている」のは、まったく別の話。ここも少し気になる。

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