「50代で処女の女性なんて、本当にいるのだろうか」。
若いうちに恋愛して、交際して、いずれ性交を経験する。そんな人生を多数派のモデルとして考えると、50歳を過ぎても一度も性交経験がない女性は、かなり特殊な存在に思える。
ところが日本の性行動に関する調査を追ってみると、少なくとも40代まで性的パートナーを持ったことがない女性は、想像するほど極端に珍しい存在ではない。
では50代ではどうなのか。今回は確認できる全国規模の調査から、その人数を推定してみる。

40代女性では「7.3%」という調査結果がある
参考になるのが、2022年に実施された日本人の性行動に関する全国準代表調査「NInJaS」だ。
20~49歳の男女8,000人を対象に行われ、年齢、婚姻状況、居住地域などを日本の人口構成に近づけるよう補正している。
その結果、女性全体では15.3%が、これまで膣性交・肛門性交・口腔性交を行った性的パートナーが一人もいないと回答した。
20~29歳女性では29.7%。そして40~49歳女性でも7.3%だった。
単純に考えれば、40代女性100人のうち約7人である。「40代まで性経験がない女性など、ほとんど存在しない」というイメージとは、少々違う結果だ。
なお、同じ調査には「性的経験が一度もない」と回答した40~49歳女性が8.2%という別の数字もある。質問の定義が異なるため、本稿では「性的パートナーがいない」という7.3%を中心に見る。

30代後半でも約9%という別の調査結果
この傾向は2022年の調査だけに現れたものでもない。
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査を分析した研究では、2015年時点で異性との性交経験がない女性は、30~34歳で11.9%、35~39歳で8.9%だった。
さらに35~39歳女性では、1992年の4.0%から2015年には8.9%へ上昇している。
つまり、「年齢を重ねれば、ほぼ全員が性交経験者になる」と単純には言えない。少なくとも30代後半から40代まで未経験のまま生活している女性が、一定割合存在していることは複数の調査から確認できる。
では50代処女は何%いるのか
ここからが問題だ。
2022年のNInJaSは対象年齢が49歳までなので、50代女性の数字はない。また、50~59歳の日本人女性について「生涯一度も性交経験がないか」を直接測った全国代表規模のデータは乏しい。
したがって、「日本の50代女性の○%が処女」と断定できる公的数字は、現時点では示せない。
ただし、40代の7.3%を出発点として考えることはできる。
20代から30代、そして40代へと性的未経験者の割合は低下している。一方、40代まで未経験だった人全員が50歳になるまでに初めて性交を経験するとは考えにくい。
そこで年齢による減少傾向を単純に延長すると、50代では3~4%前後という数字が一つの目安になる。
ただし、これは調査による実測値ではない。40代以降では新たに性交を経験する人の割合そのものが低くなる可能性もあるため、本サイトでは幅を持たせ、50代女性の性交未経験率をおおむね3~6%程度と推定するのが妥当と考える。

仮に4%なら「25人に1人」になる
仮に50代女性の性交未経験率を4%と置けば、単純計算では25人に1人になる。
3%なら約33人に1人、5%なら20人に1人だ。
もちろんこれは推計なので、「50代女性を25人集めれば必ず一人いる」という話ではない。それでも、数千人に一人という極端な珍しさではない可能性が高い。
スーパー、駅、会社、病院などで日常的に多くの50代女性とすれ違っていることを考えれば、その中に生涯性交未経験の女性が含まれていても統計的には不思議ではない。
「処女=恋愛経験ゼロ」とも限らない
ここで注意したいのが、「性交未経験」と「男性との接点がまったくなかった」は別物だということだ。
恋人がいた、デートをした、キスをした、結婚を考えた相手がいた。それでも性交には至らなかった女性は存在し得る。
反対に、恋愛そのものへの関心が薄かった人、仕事や家族を優先してきた人、交際する機会がほとんどなかった人、性的関係を望まなかった人なども考えられる。
したがって「50代処女」という一語だけから、性格、容姿、恋愛歴まで決めつけることはできない。
AVの「50代で初体験」は現実離れした設定なのか
成人作品では、「長年男性経験がなかった熟女」「遅れて性に目覚めた女性」といった設定が使われることがある。
演出やプロフィールまで現実の経歴だと受け取るべきではないが、少なくとも50代まで性交未経験の女性そのものが存在不可能な設定というわけではない。
むしろ40代で7%前後という実測値を見ると、「世の中にはほとんど存在しない女性を創作した」というより、現実に少数存在する層を大幅にドラマ化したジャンル、と考える方が近そうだ。
なぜ年齢を重ねても未経験のままなのか
興味深いのは、「なぜ性交しなかったのか」を一つの理由で説明できない点である。
2015年までの出生動向基本調査を分析した研究では、日本の30代における異性性交未経験者が以前より増えていることが示された。ただし、女性について「この職業だから」「この収入だから」と単純に説明できるほど明確な社会経済的要因が示されたわけではない。
恋愛・結婚を必須と考えない生き方の広がり、人間関係の変化、性的関心の個人差など、複数の要素が重なっている可能性がある。
そして一度40代まで未経験になると、本人が特に性交を必要としていなければ、50代になったからといって状況を変える理由もない。

観測結果――50代処女は「いる」。ただし正確な人数はまだ分からない
今回確認できた数字から確実に言えるのは、40~49歳女性でも、性的パートナーを一度も持ったことがない人が7.3%存在したということだ。
さらに過去の全国調査でも、35~39歳女性の異性性交未経験率は2015年に8.9%だった。
一方、50代について同じ条件で直接測った全国データは不足している。そのため「50代処女は○%」と断定するのは正確ではない。
それでも40代までの推移から考えれば、50代でも数%程度が性交未経験のまま残っている可能性は十分ある。本サイトでは、あくまで推定値として3~6%程度を一つの観測レンジとした。
「50代で処女なんて本当にいるの?」への答えは、いる可能性はかなり高い。そして想像しているほど天文学的に珍しい存在でもなさそうだ、となる。
ただし、「処女」という言葉だけでは、その女性がどんな人生を歩んできたのかまでは何も分からない。数字から見えてくるのは、性経験についても世間が思っている以上に人生のばらつきが大きい、ということなのかもしれない。
【最後にひとつ】
処女で通すのが得なのか、遊びまくった方が得なのか。たぶん正解なんてない。ただ、人生は一回きり。「あの時やっとけばよかった」も「やらなきゃよかった」も、結局は本人しか採点できない。俺なら、世間より自分の後悔が少ない方を選ぶね。